ご 挨 拶
昨年から今年にかけて、様々な災害が世界的に発生しました。
そうした中、阪神、淡路大震災の教訓が災害救援や復興支援にお
いて重要性を増しているように思います。1999年10月
今から10年前、阪神、淡路大震災が起こった時、私たちは地域
社会において行政機能がマヒした状態に直面しました。被災住民
とボランティアは、自助、共助を軸に動かざるを得ず、市民自治
の空間が生まれました。とりわけ仮設住宅では、コミュニティー
づくりを一から始めることとなり、様々な試みが行われました。
さながら社会的実験空間とでも呼ぶべき状況が数年間ありました。
被災地の誰もが互いに知恵を絞り、「自立し、相互に助け合う」
ことこそが市民自治の原理であることを実践において示しました。
その後、元の秩序が回復するとともに、この動きは見えにくくな
ってきていますが、被災地においては着実に地域に根付いていま
す。それは、行政を巻き込んだ新しい「公」の創出をめざす動き
にまでなってきています。
その主体になったのはボランティアやNPOです。95年はその後、
ボランティアはもちろん、地元の住民の多くもボランティア活動
に身を投じています。
ボランティアに参加した人たちは、そのまま被災地で活動して
いる人もいれば、別の地域でNPOを立ち上げた人もいますし、様々
な人生を歩んでいます。震災ボランティアの経験は様々なところ
で現在に活かされています。
震災10年という節目の今、震災ボランティア同士、ボランティ
アを始めたばかりの人と古くから活動している人が、「出会い直
し」、震災の教訓を共有しながら、新しい市民社会創造の再出発
の機会にしたいと思います。
1999年10月1日
NPO法人 シンフォニー
代表理事
山崎 勲